線形代数 1次独立、1次従属

今回は線形代数で学ぶ内容の一つである「1次独立と1次従属」に関して説明していきたいと思います。この内容ではベクトル空間に関する内容が出てきますのでよければ前回の記事を見ていただけると幸いです!

1次独立、1次従属の定義は?


 

まずはじめに、1次独立、1次従属の定義について確認していきましょう!

1次独立、1次従属はベクトル空間に関する定義なので少し抽象度が高くわかりにくいと思います。なのでまずは定義の説明に入る前に数ベクトルにかんして考えていき、それをベクトル空間に拡張していきましょう!

導入:1次結合

m個の数ベクトル$$a_1,a_2,\dots,a_m$$について、あるベクトルbが

$$b=c_1a_1+c_2a_2+\dots+c_ma_m$$

で表されるとき、 bを$$a_1,a_2,\dots,a_m$$ の一次結合といいます。

では次にこの1次結合を数ベクトルから一般のベクトル空間に拡張していきましょう。

ベクトル空間Vの要素ベクトルvがVのほかのベクトル$$\boldsymbol{ u_1,u_2},\dots,\boldsymbol{u_n}\quad c_i \in \boldsymbol{ R }$$を用いて

$$\boldsymbol{ v }=c_1\boldsymbol{ u_1 }+c_2\boldsymbol{ u_2 }+\dots+c_n\boldsymbol{ u_n }$$

で表せるとき、ベクトルvは $$\boldsymbol{ u_1,u_2},\dots,\boldsymbol{u_n}$$ の一次結合で書けると言えます。

これを図を用いて表すと下のようになります。

1次結合はベクトルvがVの部分集合uで表せる。

つまり、一次結合とはベクトルvがベクトル集合Vの部分集合の要素であるuを用いて表せるということになります。

これにより、ベクトル空間Vについての1次結合が表せました。ここまではまだ導入部分なのでさらに詳しく見ていきましょう。

ここで、先ほどの式についてベクトルvが0の時を考えていきます。

$$c_1\boldsymbol{ u_1 }+c_2\boldsymbol{ u_2 }+\dots+c_n\boldsymbol{ u_n } = \boldsymbol{0}$$

上に式が成り立つには

  • $$c_1=0,c_2=0,\dots,c_n=0のとき$$
  • cのすべてが0ではない、つまり自明でない1次関係を持つとき

の2パターンが存在します。このとき1番目のパターン(cがすべて0)のとき、 $$\boldsymbol{ u_1,u_2},\dots,\boldsymbol{u_n}$$ は1次独立であるといいます。逆に1次独立でない場合を1次従属といいます。



具体的な例


 

では、例題を交えて説明していきます。

$$\boldsymbol{a_1}=\begin{bmatrix}2\\1\\-3\\1 \end{bmatrix} \quad \boldsymbol{a_2}=\begin{bmatrix}1\\0\\1\\0 \end{bmatrix} \quad \boldsymbol{a_3}=\begin{bmatrix}3\\1\\2\\2 \end{bmatrix} $$

上に示したベクトルaが1次独立か、1次従属かを調べていきます。

まずは、上に示したベクトルを1次結合の形で表してみましょう。

$$c_1\boldsymbol{ a_1 }+c_2\boldsymbol{ a_2 }+c_3\boldsymbol{ a_3 } = \boldsymbol{0}$$

先ほど説明した通り、一次独立か一次従属かは各cの解が自明なものになるかどうかで決まるので上の式をcについて説いていきましょう。

$$c_1 \begin{bmatrix}2\\1\\-3\\1 \end{bmatrix} + c_2 \begin{bmatrix}1\\0\\1\\0 \end{bmatrix} + c_3 \begin{bmatrix}3\\1\\2\\2 \end{bmatrix} = \boldsymbol{0}$$

この式を行列を用いて整理すると

$$ \begin{bmatrix}2 & 1& 3\\1 & 0 & 1 \\-3 & 1 & 2\\1 &0 & 2 \end{bmatrix} \begin{bmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{bmatrix}= \begin{bmatrix}0\\0\\0\\0 \end{bmatrix}$$

となります。ここでこのcについての連立1次方程式が解をもつには係数行列の階数(rank)が変数の数と等しくないといけません。

連立方程式が解をもつ条件については前の記事の「線形代数3.行列の階数(rank)とは?」に詳しく書いてあるので是非参考にして下さい!

係数行列を簡約化していくと、最終的に

$$ \begin{bmatrix}2 & 1& 3\\1 & 0 & 1 \\-3 & 1 & 2\\1 &0 & 2 \end{bmatrix} \quad \longrightarrow \quad \begin{bmatrix}1 & 0 & 0\\0 & 1 & 0 \\0 & 0 & 1\\0 &0 & 0 \end{bmatrix} $$

となり、rankは3となります。これにより

係数行列の階数=変数の個数(=3)

が成り立つので、各cが自明なものになります。$$c_1=c_2=c_3=0$$

よって各aは一次独立である。

まとめ


 

今回はベクトル空間に1次結合の概念を拡張し、その式の解によって一次独立、一次従属に区別する方法を説明しました。線形代数ではここで紹介した一次独立という単語がたくさん出てきますので意味や概念などを理解しておくとつまずくことなく学習できると思います。なのでぜひもう一度読み返して理解してみましょう!

東京農工大電気電子工学科所属の大学生 趣味:ショッピング、スノボ、映画鑑賞 大学の情報と学んだ知識をアウトプットしていきます!
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